視線

3/21
前へ
/21ページ
次へ
そして私のデスクの前で止まった。 「松本さん」 その人とは沙織さん。 怒った声で私を呼んだ。 「ちょっと話しがあるから私の部屋に来てくれる?」 その声は強制的に聞こえきっと拒否なんてできないだろう。 きっと課長と私の事が耳にはいったに違いない。 まだ私は沙織さんと直接仕事をしている訳じゃない。 仕事以外という事はもうその事しか考えられなかった。 「桜井さん、どうされたんですか?」 課長の声が聞こえホッと息を吐く。 「松本が何かしましたか?」 課長は丁寧な口調で話しかける。 いくら知り合いとは言え相手はデザイナーの先生。 社員の手前その対応は当然の事だ。 だか沙織さんは面白くないのだろう。 「話があるのよ!」 強い口調で言った。 「仕事の話でしたら私も一緒に聞きますが?」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

660人が本棚に入れています
本棚に追加