ライバル宣言

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「違うわ」 「え?私の知ってる人?」 ひよりの質問に千恵は小さく頷いた。 「まさか義春っ……なわけないか」 誰だろう?と真剣考え始めたひより。 きっと相手は私が思っている人に間違いないだろう。 「川東部長」 えっ?と千恵が私に驚いた顔を見せる。 「美由。そんな訳ないじゃん。千恵の相手だよ。だって川東部長ってバツイチでお金だって持ってなさそうだし、年だってすっごく離れてるんだよ。そんな……」 「年はそんなに離れてないわ」 ひよりの言葉を被せるように千恵が声を上げた。 「彼はまだ35よ私とはひと回り離れてるけど、男の人ってそのぐらいの人の方が魅力的だし、バツイチだって奥さんが他の男作っていなくなっただけで彼は優しいから……」 いつも穏やかに話す千恵が早口で一生懸命に川東部長の誤解を解こうとしている。 なんだか可愛いな……。 「千恵、川東部長の事本当に好きなのね」 私が言うと千恵は顔を真っ赤にさせて頷いた。 それを見たひよりはごめんねと千恵に謝った。 「でも驚きだよ。千恵が川東部長とだなんて」
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