千恵の恋

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しばらくすると治療室の扉があいた。 先生に色々聞かないと……。 そう思い私は立ち上がった。 すると……。 「色々すいませんでした。ありがとうございました」 川東部長の声が。 こっちに向かって歩いてくる。 そして私に気がついて驚いた顔をする。 「ど……どうして君がここに?」 「たまたま居合わせて一緒に……。大丈夫なんですか?」 「日頃鍛えてるからね。ごらんの通り……」 川東部長がガッツポーズをする。 「でっ……でも血が……」 「あ~さすがに額は鍛えられないからね。ちょっと切っただけなんだけど結構出るもんだな~」 暢気に言うもんだから……。 私はいっきに体の力が抜けてその場にへたり込む。 「おい!大丈夫か?」 部長が慌てて私に駆け寄った。 「よかった……ホントに……。無事で……よかった……」 「心配させてごめんな」 部長は優しく私の頭をポンポンと叩く。
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