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「へーそんな事があったなんて知らなかった」
ひよりが寂しそうな声を出した。
「ごめんね。ずっと黙ってて」
私は二人に謝った。
「別に謝る事じゃないよ。千恵が幸せならそれでいいんだ。たださー。なんで私には幸せが訪れないわけー?」
ひよりは頭を抱えて叫ぶ。
「ちょっとー!私は別に幸せじゃないわよ」
美由が言った。
「私はただの片思いだし、しかも中途半端だし……全然幸せじゃないよ」
「でも課長に優しくされてんじゃん」
「今はね!」
美由の一言でひよりが黙ってしまった。
「ごめん……。でも羨ましかったからさ。二人は本気で好きな人と巡り会えたわけでしょ?何だか取り残された気がして……」
「バカひより」
「ちょっと美由!バカって……」
「恋は焦ってするもんじゃないでしょ?友達に彼氏が出来たから自分もいないととかそんな事で簡単に決めちゃダメだよ。恋は本当に好きな人としなくちゃ。それがどんなに辛くても自分で決めた道ならどんな結果になろうと後悔しないはず」
美由って……。
私は改めて思う。
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