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「でね、義春がその絆創膏彼女から貰ったんですか?って聞いちゃって」
「お前あの時の部長の顔見た?顔真っ赤だったんだぜ」
「そうなの?」
美由が残念そうな顔をする。
彼女って……部長は何て答えたんだろう。
私は話の続きが聞きたくて義春に聞いた。
「で……ぶっ……部長はなんて答えたの?」
「そんなんじゃない!さっさと仕事しろ!!って」
「怒られたのよね~」
ひよりが義春の頭を軽く小突く。
私はここで気がついた。
たしか部長って……。
「あら?でも川東部長って結婚してなかったかしら?」
「そうか千恵は部署が違うから知らなかったのね。5年前に別れたらしいのよ。だから独身」
美由が唐揚げを摘まんで言った。
「そうなんだ……」
独身……。
私には関係ない。私が狙ってるのは玉の輿。
バツイチのサラリーマンなんて眼中にないわ。
この時はそう思っていた。
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