千恵の恋

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入社して2年目に私は秘書課、社長秘書に抜擢された。 受付の時とは違い仕事も増えたが交友関係も広がった。 社長出席のパーティに同伴することも多く玉の輿狙いの私にはうってつけの場所だった。 この頃付き合っていた彼氏は大学病院の御曹司。 彼は医者の為会う時間は少なかったがそれがかえってよかったのか……。一番長く続いていた。 今日は久しぶりのデート。 私たちはレストランで食事をしていた。 「あら?」 「どうした?千恵」 あれは……。川東部長……。 ん? 私は目線をずらすと、 「あぶない!!」 すごいスピードで走って来る車。 まだ横断歩道をわたりきってない女の子が……。 私はそれに気がついた。 キィィィィィー!!! 急ブレーキの音が店の中でもはっきり聞こえた。 「おい!どこ行くんだよ!千恵!!」 私は無意識に外へ飛び出した。
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