739人が本棚に入れています
本棚に追加
私は課長について歩く。
どこへ行くんだろう?
課長のことだから変なところってことはないと思うけど……。
私たちが降りたのは町の中心部高層建物がある一等地。
課長は何も言わず歩いていく。
私はその後を着いていく。
課長が足を止めたのは超がつくほどの有名なホテルの前だった。
たしか普通に泊まるだけでも高いって聞いたことあるからもちろん私なんて来た事もない。
「おい、何してるんだ。早くしろ」
課長から声がかかり私は慌てて追いかける。
そしてホテルに入る手前で足を止める。
ちょっと待って……。
私は目線を下にやり自分の格好を見る。
こ……んな格好で入れるの?
私は今日は完全普段着。
まさかこんな高級ホテルに行くなんて思ってなかったから化粧だって軽くしただけだし……。
回転ドアに映る自分の姿を見て入ることをためらってしまう。
「おい!何やってんだよ」
課長がしびれをきらしてこちらにやってきた。
「あの課長?この格好じゃ……」
「うるせー。入るぞ」
課長は私の言い分を無視し強引に私の腕を引っ張って回転ドアに手をかけて中に入った。
最初のコメントを投稿しよう!