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私は課長の顔をジーッと見る。
それに気が付いた課長が何だ?と声をかけてきた。
「か……課長。まさかここって……」
「ああ。奥田物産が経営してるホテルだけど?」
やっぱり!
私がこんな格好で入っても何も言われないのは課長と一緒にいたからだ。
それにしても……。
改めて課長の実家のすごさを感じてしまう。
このホテルも将来は課長が見ることになるのだ。
はぁ……。
ついため息が漏れてしまう。
「どうした?疲れたのか?」
課長が心配そうに聞いてきた。
「いえ……ただただ驚きで……」
そんなすごい人と今は恋人として一緒にいることに少しだけ躊躇してしまう。
周りを見るとホテルの従業員の人たちが私たちを見ている。
きっと誰?って思っているのだろう。
奥田物産の御曹司と一緒にいるのがこんな普段着まるだしの格好の女だなんて……。
私は課長の格を下げてしまっているのではないか?
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