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ドアを開けて私は一瞬顔色を変えた。
ドアの前に立っていたのは課長だけだけど、その背中にいるのはトモキ君だった。
「悪いな。こんな時間に」
「いいえ……」
私は課長に中に入るように言ってドアを閉めた。
トモキ君は課長の背中でぐっすりと眠っていた。
ゆっくりとソファーにトモキ君を下ろして課長は解放されたのか肩をまわした。
聞きたいことがたくさんあるのに上手く言葉が出ない。
「腹へったな」
課長が私の顔を見て言った。
「丁度何か作ろうと思ってたんです」
私はキッチンに入り食事の支度を始めた。
課長もキッチンにやってきて冷蔵庫からビールを取り出す。
その場でプシュッと開け美味しそうに飲んでいる。
「ん?お前も飲みたいのか?」
どうやら私は課長をガン見してたようだ。
慌てて目をそらす。
「後で飲みます」
「そうか」
課長はビールを飲みながらキッチンを出て行った。
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