白紙の契約

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「ちょ……二人で抱き合ってなにやってんだよ!」 顔を洗いにやってきた義春が目を真ん丸くさせて言った。 「俺もまぜろー」 義春が私たちに抱きついてきた。 「ちょ……痛いって」 「セクハラで訴えるわよ」 ギュウギュウと抱きついてくる義春に私たちは大きな声で文句を言う そこへひよりがやってきて……。 「うるさーい!!朝っぱらから何やってんのよ」 ベリッベリッと私たちをはがして行く。 「まったく。いい歳した大人が朝っぱらから……とりあえず義春朝ごはん買って来て」 「はぁぁ?何で俺なんだよ」 「女の子には準備ってもんがあんのよ!」 「女の子って歳かよ」 義春がボソッと言った言葉をひよりが聞き逃すはずがない。 「なんか文句あんの?さっさと行って来い!」 義春はひよりに引っ張られ玄関に放り出された。 ほんと義春って学習能力ないよな……。 クスッと笑うと千恵が私の肩に手をポンと置いた。 こーゆう何気ない事が私の気分を明るくしてくれる。
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