白紙の契約

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課長の顔が驚いた表情になっていく。 「な……に言ってんだ?」 課長の掠れた声が耳に響く。 「本気で言ってるのか?」 私は見つめたままコクンと頷いた。 とうとう言ってしまった。 すっごく悩んで出した決断。 課長と離れる。 それが今の私にとって一番の答えだと思った。 あと一年もすれば自然と契約は終わる。 でもそれまで私はずっと片思いしたまま課長の側にいられるのか。 それは否。 ちょっと前の私ならきっと笑って課長の側にいられた。 けど今は違う。 課長の隣にはちゃんとパートナーがいるのだから。 今ならまだ課長の事を忘れられる。 引き返す事が出来る。 まだ大丈夫……。 私は静かに課長の言葉を待った。
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