白紙の契約

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色々言いたいことがあるのに上手く頭で考えられない。 「お前……さっきからほんとに何言ってんだよ。どうしたんだよ」 課長が私の手首を掴もうと手を伸ばしだが”バシッ”とその手を振りほどいた。 課長がビックリした顔で私を見ている。 「私は課長に元カレからのストーカー行為から助けて貰いました」 これが契約した時の私のメリット。 「そして私は課長の彼女を演じて女除けの為に側にいました」 これが課長のメリット。 「そうだったな……。ならまだ俺の方は解決してないだろ?」 「それは私じゃなくても出来ることです。課長には私を構う事よりももっと大事な事があるんじゃないですか?」 「さっきから言ってる意味がよくわからないんだが……」 課長が眉間にしわを寄せて言った。 「私にも課長がそんなにも私を引き止める意味が分かりません」 「それはお前が俺と契約したからだ」
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