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「課長には……沙織さんがいるじゃないですか……」
「はぁ?沙織?」
課長の目つきが変わった。
「課長にはもう沙織さんとトモキ君がいるでしょ。だから私は……」
「ちょっと待て!」
今度はガバッと両肩を力いっぱい掴まれる。
「お前、何言ってるんだ?」
何言ってるって……。
そのまんまを言ったつもりなのに課長の顔を見ると目を大きく見開いて驚いた顔をしている。
「だから……トモキ君は課長と沙織さんの息子さんなんですよね?ですから……」
「はぁぁぁぁ?」
近い距離で大声を出されてビクッと体が震えた。
「なんだよそれ」
課長は私から手を離すと後ろを向いた。
「その話誰から聞いた?」
課長はこちらを見ることなく聞いてきた。
「沙織さんです」
「沙織から?」
振り向いた課長の顔は心底驚いた顔している。
「先週偶然、修さんのお店で会って……」
課長は固まったまま動かない。
もしかして……
「知らなかったんですか?」
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