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課長は思い出しているのか腕を組んで黙っている。
一体どうゆう事だろうか?
沙織さんはハッキリと私に言っていた。
それも修さんとのりさんの前でだ。
「その話、本当に沙織から聞いたのか?」
課長は真剣な顔つきで言った。
「こんなこと嘘なんてつきません」
私が言い終わると同時に課長は”はぁー”と深いため息をついた。
「なんで……こと……」
課長が呟くように話すので私には何を言っているのかよく聞き取れなかった。
「お前は……俺と沙織どっちを信じるんだ?」
「えっ?」
どっちを信じるって……。
「トモキが家に来た時、俺言ったよな。トモキは俺の息子じゃないって」
言ってたけど……でも……。
いくら何でも子供の事で沙織さんが嘘をつくだろうか?
「沙織さんは母親です。トモキ君の事で嘘はつかないと思います」
「お前は……あいつを信じるってことか?」
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