白紙の契約

33/40
前へ
/40ページ
次へ
私だって課長を信じたい……。 でも私は見てしまった。 課長と沙織さんが抱き合っている現場を……。 沙織さんが課長にトモキ君の事をどう伝えてるのかは分からない。 私は誰を、何を信じていいのか分からない……。 「私は……」 どうしたいの? 偽りの恋人を演じくうちに本当に課長を好きになった。 いつか本当の恋人になれたらいいな。 そう思いながらそばにいた。 たとえ沙織さんの事を好きな課長でもそれでもいつかはと……。 けど沙織さんの帰国で状況が変わった。 そしてトモキ君の存在。 課長の事を嬉しそうにパパと呼んでいる姿を私は知っている。 私は目を瞑った。 嬉しそうに課長と手を繋ぐトモキ君。 その反対の手には沙織さん。 トモキ君が嬉しそうに二人と手を繋いでる光景が浮かんだ。 その子を……悲しませてはいけない。 それには私は側にいてはいけない。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

684人が本棚に入れています
本棚に追加