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~貴史~
あいつ……何やってんだ?
もうすぐ会議が始まるというのに松本はまだ来ていない。
いつもは誰よりも早く来ているのに……。
何かあったのか?
声をかけた時は、特別変わった様子はなかったんだけどな。
結局松本は一番最後、ギリギリに会議室に入って来た。
俺は一応上司としてあいつを指導しなければならない。
後で説教だな。と心の中で思い松本を軽く睨んだ。
ん?
あいつ……泣いたのか?
化粧で誤魔化してるようだが俺には分かる。
それに心なしか元気がない。
俺は会議が終わった後、松本に片づけを命じた。
そして俺はわざとボールペンを忘れていく。
忘れ物を取りに来た振りしてあいつと話そうとそう思ったからだ。
あの日以来、二人っきりになる事がなかった。
俺が会議室に入って来た時、松本は驚いた顔をして固まってた。
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