真実-1

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「木島弘樹31才。自称画家。イタリアで活動していたが4年前き急に行方をくらました。この木島って画家さんは沙織、お前と付き合ってたんだろ?」 俺の変わりに竹内が言う。 沙織は少しの間考えているようだが、しばらくして顔を上げるとこう言った。 「話をする前に教えて頂戴。弘樹は生きてるの?」 「本当にすべて話してくれるんだな」 俺は念を押した。 「ええ。ちゃんと話をするわ」 沙織は落ち着きを取り戻したようだった。 「生きてるの?」 「ああ。生きてる」 俺の言葉を聞いた沙織はホッとした顔を俺に向けた。 「居場所も?」 「ああ」 それを聞いた沙織は胸を手において天井を見上げた。 きっと泣くのを我慢してるんだろうと俺は思った。 そして俺に顔を向けると、 「すべて話すわ」 と静かに言った。
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