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「違うわよ」
千恵ははっきりと言った。
「確かに……春川はあいつのタイプじゃないかもな」
課長が余計な事を言った。
もう!全然話が終わらないじゃない!!
みんな修さんの気持ち考えてよ!!
そう思いながら修さんの顔をチラリと見ると、さっきの顔とは違い穏やかな顔をしていた。
「修さん……嫌じゃないんですか?」
私は小声で修さんに話しかけた。
「ん?竹内の事?」
みんなは竹内さんの話で盛り上がっているので私達の話なんて聞いていないだろう。
「そりゃ気にならないって言ったら嘘になるけど……。そんな事気にしてたらのりと結婚してないよ。俺はね。竹内を好きだったのりを含めて愛してるからね」
修さんは照れながら話をしてくれた。
「俺の場合はたまたま相手が親友だから複雑に見えるかもしれないけど、普通の恋愛と一緒だよ。
人を好きになるのは相手の全てを受け入れる事だと思うんだよ。どんな過去があっても好きでいられる。」
どんな過去があってもか……。
修さんの話は私の心の中にしみ込んでくる。
「美由ちゃんもそんな相手に出会ったんでしょ?」
修さんはチラッと目線を課長へ向けた。
バレてる……。
私は恥ずかしくて下を向いた。
「俺は応援するよ。これから大変だと思うけど美由ちゃんなら大丈夫」
「はい」
私は修さんから勇気を貰った気がした。
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