告白さえも……

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とうとう月曜日が来てしまった。 課長の言葉が気になって週末はゆっくり過ごす事が出来なかった。 『話がある』 改まって言われて緊張しないわけがない。 課長の席を見ると来ている形跡はあるが姿はない。 営業部にでも言ってるのかな? 私は軽く考えていた。 昼休みになろうとしていた時、課長がオフィスに戻ってきた。 いつもと変わらない凛とした表情で部下に指示を出している。 カッコいいな……。 思わず見惚れてしまう。 今まで側にいたからなのかこうしていざ離れて見ると、自分がどれだけ課長に想いを寄せているのか思い知る。 「松本。何ボーっとしてんだ?」 近くに課長がいて驚いた。 「うわっ!!」 思わず変な声を上げてしまった。 「お前……月曜だからって弛んでるぞ」 頭をコツンと叩かれ肩を竦める。 「松本、これのデザインやれるか?」 課長に手渡された図面は課長が担当していたものだった。 「これって課長が……」 「エントランスの方は落ち着いただろ?これもやってみろ。いい勉強になるぞ」 課長は私の肩をポンと叩いて言った。 「沙織と一緒に仕事をする事になるかもしれないがもう大丈夫だろ?」 課長に頼まれた内容はチャペルの内装のデザインだった。 いつかはやってみたい。そう思っていたけど……。 「俺の途中で申し訳ないがお前なら出来るだろう。期待してるぞ。」 そう言って課長はオフィスを出て行った。 どうして? 私は疑問に思った。 このチャペルの仕事は課長がこのプロジェクトで一番のメインにしていた。 なのに何で急に? 私は何だか胸騒ぎを感じていた。
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