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「お客さん大丈夫ですか?」
泣きながらタクシーに乗り込んだ私を運転手さんは心配したのだろう。
「はい。大丈夫です」
なるべく平常心で返事をした。
「どちらまで行かれますか?」
どうしようか……。
このままマンションに帰ったら課長が待っているかもしれない。
でもここ最近課長はマンションに帰って来てないみたいだったし……。
事情を話してひよりんちに泊めてもらおうか。
でも今日は一人でいたい気分だった。
一人で思いっきり泣きたい。
「お客さん?」
運転手さんの声で我に帰る。
私は自分の部屋に帰る事に決めた。
今日は大好きなお酒を飲んで思う存分泣こう。
そう思ったのだ。
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