それぞれの道-2

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「ちょっと、何処行くの?」 「さっき言ったでしょ?課長に最後の挨拶に行くって」 「私はいいよ。さっき言ったもん」 もう課長に送る言葉なんてない。 「さっきのは部下としての送る言葉でしょ?美由個人としての送る言葉は言ったの?」 私個人としての……言葉。 でもそれはこの間言おうとして……。 「つべこべ考えてないで行動!ほら行くよ。課長が帰っちゃったら意味ないんだから」 そう言って渋る私の手を引き課長のいるホテルの外に連れ出された。 「やっぱり出遅れた!」 ひよりが言うのはもっともだ。 なぜなら課長の周りには女子社員達が集まっていて、背の高い課長だからなんとか顔から上が見える状態。 これじゃ近づきたくても近寄れない。 「もう強行突破しかないか」 「別にそこまでしなくてもさー」 これじゃ課長と話ができるまで時間がかかりそうだ。 「美由はここで待ってて。私、課長連れてくるから」 そう言ってひよりは輪の中に入っていった。
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