溢れる涙

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心臓の音静まれ!! ドクンドクンと自分の心臓の音が聞こえる。 食器の音しか聞こえない静かな部屋。 心臓の音が聞こえやしないかと心配だ。 早く蜜兎さん戻ってこないかな……。 「やっぱり美味くねぇな」 課長が突然言った。 独り言? それとも誰かと電話してるのか? 「やっぱりコーヒーは……。お前が入れた方がまだましだな」 えっ? 「いつまで隠れてるつもりだ?松本」 わ…私? さっきよりも数段に早くなる私の心臓。 ば……ばれたの? 何故??? しかも何か怒ってるし……。 出るに出られない!! 「松本!いい加減に出て来い!!」 「はい!」 慣れって恐ろしい……。 私は条件反射で返事をしてしまった。 さすがに今更しらばっくれてもダメだよね。 私はゆっくりとテーブルの下から這い出た。
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