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「何、弱気になってんのよ」
ひよりが私に言う。
「弱気って言うか……。諦めたくないって気持ちはあるんだけど……」
周りのみんなは私の気持ちを無視して発破をかける。
蜜兎さんも碓氷さんも諦めるな、信じてって言う。
私を思って言ってくれてる事は解る。
だから諦めないで頑張ってきた。
私にとって課長は運命の人だと思ってたから。
だけど……。
「やっぱり違いすぎるよ」
身分が違いすぎる。
「なーんだ。じゃ諦めちゃうんだ」
千恵が冷たい声で言った。
「まだ何もしてないのに諦めるんだ。情けない」
私はムッとした。
「何よ。何でそんな事……」
「中途半端な告白だけで満足なんでしょ?」
「それは課長が……」
千恵は私の目を見て言った。
「人の所為にするんじゃないわよ。聞いてもらえなかったら聞いてもらうまで頑張んなさいよ。
何も努力しないで待ってたってこのままずーっと引きずるだけじゃない」
「千恵!言い過ぎ」
義春が千恵を止めようとしたけどそれを無視して私に話し続ける。
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