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ガチャと乱暴にドアが開けられた様子で課長のご機嫌さが分かる。
それに空気で解る。
間違いなくどす黒いオーラが出ているであろう。
電話してたのがばれたのかな?
私は恐る恐る布団の隙間から課長の様子を伺った。
ドスッとベットに座り込んだ課長はクソッと呟きながら頭を掻いている。
やっぱり怒ってるぅ。
だけど私はここを出て仕事に戻らなければいけない。
「課長?」
私はビクビクしながら声をかけ体を起こした。
課長は私に気がつくとはぁとため息をつき、私の腕を引っ張り体を引き寄せた。
体を隠していた布団が離れ、そのまま課長に抱きしめられた私は先程までの行為を思い出し顔が赤くなる。
何も身に纏っていない状態で抱きしめられるのはどうしてこんなに気持ちがいいのだろう。
もう会社なんてどうでもいい。
このままでいたい……。
そう思ってしまう。
「松本、悪りぃ」
課長の言葉を理解するのに数秒かかってしまった。
「えっ?」
「会社に戻らなくちゃいけなくなった」
ああ。そうゆう事か。
きっとさっきの電話は碓氷さんからで散々もめてたんだろうな。
恐らく相当碓氷さんを困らせたのだろう。
その様子が安易に想像出来て笑える。
でも……私の電話がばれた訳じゃなくて良かった。
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