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第2章:回想1(ナホ)
私は高校に入学して
初めての親友ができた。
彼女の名は
白井美羽(シライミウ)
美羽はおしゃべりで
明るい性格の女の子だ。
逆に私は人と話すのは苦手で
静かな子だった。
最初に話しかけてきたのは
美羽だった。
「私、白井美羽 よろしくね!」
二学期に入って席替えをした時、
彼女が私の席の前になった。
私は彼女の笑顔と明るい声に
顔を赤くして小さな声で
「よろしく」と答えるのが
精一杯だった。
一学期は周りの生徒に
話は掛けられる事もあった.
でも会話が続かないので、
自然と話し掛けられなくなった。
美羽は私が話さなくても
嫌な顔もせず話し続ける子だった。
毎日一緒に居る事も多くなり、
私も美羽と少しずつ会話が
できるようになっていた。
ある日、お弁当を食べていた時だった。
「南帆ってさ~いいよね。私好きだな!」
「ぇ?」
突然の告白に私は顔を真っ赤にした。
口を開けたまま彼女の顔を見ていると
続けて彼女は言った。
「私うるさいでしょ?
人の話聞いてないとか、
馬鹿みたいに笑ってるとか、
空気読めないとか、
明るいと騒がしいのは紙一重だとかさ…
一学期に一緒にいた女子が
そう言ったんだよね~。
本人に悪気はなかったんだろうけど…
あれはショックだったなぁ。」
(そうだったんだ・・・・)
「でもね二学期に南帆と友達になれて
今は幸せっ!うふふ」
美羽は笑顔を向けて続けて話す
「南帆っておとなしいから、
返事も他の人と違って少ないけど、
私の話を一生懸命伝聞いてくれるでしょ?
南帆は自分で気が付いてないかも
しれないけど・・・私が話してる時さ、
すっご~く優しい顔で
聞いてくれてるんだよ!?」
美羽は私の顔を覗き込んで
「知ってた?」と聞いてきた。
私は顔を赤くして、
首を大きくブンブンと振った
それを見て美羽は嬉しそうに
「だよね~!」
と声を張って言ったあと
「友達っていいよね」
微笑んでまたお弁当を食べはじめる。
それを聞いた私は生まれて初めてだろう
大きな声で美羽に向かって言った。
「美羽は!美羽だっていい子だよ!
わ、私も大好きだよっ!」
私の目からポロリと涙が出た。
美羽はその声に驚き私の涙を見て
「両思いだぁ~!」
嬉しそうにお箸を持った両手を
高々と挙げて叫んだ。
人生初めての告白で、
初めての親友ができた瞬間だった。
高校1年残り少ない日々は楽しくて
私の人生を大きく変えた。
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