回想2(センパイ)

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二人から紹介された『センパイ』は ゆっくり話す人だった。 言葉は少ないけど、 耳に残るような話し方をする。 「先輩!この子私達の親友なの!  南帆っていうんです!」 「初めまして藤本です」 「は、はじめまして」 顔を赤らめて頭を下げて挨拶をした。 「でねッ先輩!」 二人は興奮しながら言い寄ると、 藤本先輩は二人を見上げて 「ねぇ」 と声を掛ける。 二人はそれを聞いて黙った。 藤本先輩は雑誌に視線を落とし 頁をめくった後、また二人を見て 「今日はいい天気だね」 とゆっくりと笑顔で言った 「は~…ですね。」 と返事をする二人は、 目をパチパチさせ キョトンとした顔をした。 私は可笑しくなり小さく笑ってしまう。 美羽は「南帆笑うとこじゃないよ!」 実里も「もう参るな~」 困った顔をした。 藤本先輩は二人から私に視線を移し 「ナホちゃん、桜好きなの?」 と聞いてきた。 私は緊張が解けていたのか 「はい」 と自然に返事をする 「そう」 藤本先輩は優しい笑顔をする。 そんな私達を二人が見て 「「ミラクル!」」 と言ってハイタッチをした。 その後、何故か藤本先輩とは 自然に会話ができた。 きっと彼の会話のテンポが 私に合っているのだろう。 美羽と実里はいつもと変わらないテンポで 明るく話している。 急に忘れていた何かを 思い出したように実里が叫んだ。 「先輩それよりね!ほらっ前に言ってた…!!」 「実里ちゃん」 ゆっくりと実里を呼んだ。 「はい?」 「大丈夫だよ」 「へ?何がですか…?」 先輩は考えるように本の頁を捲りながら 「あの事かな~?」 「そ、それですたぶん」 「そう」 「・・・・」 実里は会話が噛合わず美羽に泣きつく 美羽はそれをなだめながら言った。 「ソレに私たち参加したいんですけど  いいですか?」 美羽は息を呑み返事を待っていた。 (あの事ってなんだろう?) 私は首を傾げた。 藤本先輩は美羽と実里を交互に見て 私に視線を移し微笑みながら 「南帆ちゃんお花見好き?」 と聞かれたので私はコクンと頷いた。 歓喜する二人様子を藤本先輩は ニコニコと眺めている。 私はそんな先輩を見ながら (癒し系ってこういう人かも) と思った。
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