回想4(ハナミ)

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回想4(ハナミ)

私は公園へ向って歩いていた。 今日は花見の日。 携帯のメールを見ながら 足早に歩いていた。 《花見の場所は確保したから  ゆっくりおいで。  それからスカートは  穿いてこないように》 先輩に言われた通り、 今日はズボンを穿いた。 携帯をバックに入れ、 立止って辺りを見渡し、 公園の門前で美羽と実里を探した。 すると後ろから 「南帆!」 振返ると美羽が立っていた。 美羽は少し大人っぽく見える。 よく見ると唇に少しグロスを塗り 薄くではあるが化粧をしてる。 「わあ~美羽かわいい!」 美羽は嬉しそうに笑った。 「実里は遅れるってさっき連絡がきた、  先輩達も花見場所で待ってるって!  さぁ~いざっ参ろう~!」 明るく言って私の手を引く 「かわいいのに台無しだよ美羽」 美羽は気にしない気にしないっ! と言って私を誘導する。 歩きながら私は聞いた。 「美羽は部員2人の誰がくるか知ってるの?」 「知ってるけど話した事はない」 「え?同じ部員なのに?」 「合同練習もあるけど個人競技だし  水泳顧問は女子男子違うし…」 「そりゃあ男子部員と話してる女子もいるけど、  私は練習した後も実里と一緒だからなぁ。  あいさつ程度だよ。」 「でもよく廊下で男の子と話してるよね?」 「あー中学の頃の友達で部員じゃないよ?」 「そーだったんだ?」 「そっか…男子と話してる時少し離れてたね  話も中学の頃が多かったし…  ごめん言ってなくて。」 「いいの、私も聞かなかったし…じゃあ実里も?」 「実里は一人知ってる」 「そうなの?」 「うん、中学が同じだって以前言ってたかな」 「中学でも同じ水泳部だったとか…  でも仲はいいのかなぁ?  普段話してる所は見た事ないけど…」 「じゃあ、なんでお兄ちゃんと仲良いの?」 「ブッ!南帆!ソレ他の部員の前で  言わない方が…だって…きゃははは」 笑われて私の頬はぷくっと膨れる。 それを見ながら美羽が言う。 「先輩は私達が新入生の時、  教育指導係だったの。  話す機会も多かったから  一番親しい先輩かな・・・  でも先輩ってあの調子で話すからさ~  忍耐を鍛えられたかもっ!ププッ」 「忍耐?」 「ツッコミしないよう忍び耐える事!」 それを聞いて笑った。
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