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私もキョウも疲れた顔をしていた
私は『アレ』で、キョウは『ゲイ』
また好奇な目で見られ質問の嵐を受けるのかと…
一気に顔が引きつり断られるのかと・・・・。
二人は気弱になっていたのか相手の出方を伺う
「「あの!」」
二人はタイミング良く同じ言葉がぶつかる。
その瞬間二人は…何か…そう
感じたのかもしれない
悩みを持った者同士って事を。
キョウの容姿はかなりのイケメンだ
私は彼の第一印象から
(この人モデル?…それともハーフ?
イヤ、ルームメイトを探してるなら留学生?)
と想像していた。
同時にキョウは
(こいつ顔はそこそこなのに異性と同居って
やばくね?てか、男に困ってる風にも
みえないし・・・まさか、男嫌い?
いや、レズなのか?)
と思っていたらしい
…後に聞いてボディ食らわせましたけど…。
何はともあれ…私が最初に切り出した。
「私、特殊なんです。病気じゃないけど…」
それを聞いたキョウは…
「あー、そうなんだ…」
(は?…それだけ?)
私はいつもと違う返事に困惑した。
きっと眉間に皺が寄ってたんだろうと思う。
でもキョウがそんな私を見て思った事は、
(こいつレズだ…!)
だった…。私はキョウに素直に聞いた、
「あの…気になりませんか?」
今までなら相手から「なんですかそれ?」と
私に聞いてくるパターンなのに
私が逆に聞いている。
「あるでしょ。そういうの。」
キョウの返事に私の頭の中は「?」だった。
(あるの?海外では普通なの?)
一呼吸置いてキョウが聞いてきた、
「俺も持病っていうか…あるんだけどいいかな?」
「えっ?」
「引いた?」
「いいえ。だって私もありますから」
「じゃあ言うけど、俺さ~ゲイなんだ」
「ん?」
「だからね。俺男が好きなの」
私はそれが何・・・?
それって持病っていう?
私は馬鹿にされた気がした
そして頭に血が上り、
怒りで頬が熱くなるのを感じた
(何それ…私の悩みを馬鹿にしてる…)
今思うと私は言葉の受取方を間違っていた。
同居人が見つからない焦りと、疲労
そしてストレスが溜まってたんだと思う・・・。
その時の私は『持病=ゲイ』の言葉に
(お前、馬鹿にしてんのかゴラァ!)
私は怒りで叫びそうな心境だった。
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