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「ちょっと変わってるけど、基本はそんな感じ?」
オレが言うと、高橋がへらっと笑う。
「行ってもいいよな?」
「女の子いっぱいって感じだぞ?」
「おれは七重を見に行くだけだから。」
「面白いとかないぞ。編み物してるだけだし、営業時間内はしゃべらないし。」
「見れたらいいよ。学校の外の七重見たい。」
高橋がキラキラ目で見上げる。
ああ、これは絶対来るんだろうな。
オレは諦めてため息をついた。
「い、いきなり来るなよ?ちゃんと来る前に言えよな。」
「うん。……で、この傷はどうした?」
オレは呻いた。忘れろよ、高橋。
「目を離してる隙に絡まれたんだ。金曜日、バイト行く途中。で、その日には行けなくなった。」
動揺してるオレにハルが口を挟む。
「へえ……」
高橋がハルをじっと見て言う。
「じゃあなんで学校で護衛つけてんだよって話だよな。」
高橋が内藤に微笑みかける。
内藤は冷たく微笑み返した。
巻き込まれるなって。言いたい唇を噛む。
困り切ったオレを高橋が眺めて、それからハルに目を戻す。
「理由、聞かせたくないならそれでいいよ。
でも、今度やられたら黙ってないからな。
……守れないなら返せ。」
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