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高橋がシャーペンで答えをゆっくり書いていく。
「た、たかはし。」
オレが困ったように言うと、高橋がへらりと笑ってオレを見る。
「なんでこいつらがおれに指図すんの?おれ、七重のなんだけど。」
にこにこわんこみたいに笑いながら、なんでもないことみたいに高橋は言葉を続ける。
「もういらないの?おれ。」
「友達だろ?」
反射的にオレが呟くと、高橋の笑みが深くなる。
「そういうことだから。」
口元は笑ってるのに、高橋の目が鋭くなる。
目をあげた高橋が3人を睨む。
「引っ込んでろ。」
3人が殺気立つ。
なんだよこれ、なんでケンカになりそうになってんの。
さっきまで和やかなムードだったのに。わけわかんねえ。
……っていうか、そもそもさ。
オレはべしんと高橋の後ろ頭を叩いた。
「ちゃんと宿題やって来なかったくせに、何言ってんだ?」
「痛いよ、七重~。」
へらっと高橋が笑う。
「何威嚇してんだ。」
「だって、土御門とかキモいよ。」
「借り作るの嫌なだけだろ?」
「それもだけどさあ。なんで土御門の友達とまで仲良くしてんの?
怪我した理由も教えてくんないじゃん?」
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