課外2日目

18/44
前へ
/882ページ
次へ
「あ~それは……」 目が泳ぐオレに、高橋の目つきが鋭くなる。 顔のあざに目を走らせて、低くうなるように言う。 「こいつら関係あんの?」 「違うよ。」 笑いのかけらもない高橋の表情は、それだけ心配してるってことなんだろう。 でも、同じ学校の奴が犯人だってわかったら、高橋はきっと容赦しない。 スポーツ部の高橋が手を出すってことは、高橋だけのことじゃ済まないってことだ。暴力事件で出場停止なんていうのはよくある話だ。 高橋には巻き込まれて欲しくない。 オレは、縋るようにハルを見た。 「一緒にバイトしてるだけだ。」 ハルが口を挟む。 「バイト?」 「そ、バイト先でみんな一緒なんだ。」 「七重?バイトとか大丈夫なのか?」 「ん、まだ1日しか行ってないけど。」 「どんなことしてんの?」 寝てる?編み物してる?なんて説明すればいいんだ? 具合悪くて寝てるとか言ったら、顔だけじゃないってバレてしまう。 「んと……あ、あみもの?」 「なにそれ。どこでやってんの?」 ハルがため息つきながら、財布から名刺を出す。 裏の地図の方を表にして高橋に渡す。 「喫茶店?」
/882ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5120人が本棚に入れています
本棚に追加