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わずかに桃華の顔に笑みが広がった。
「辰兄。それ何だ?」
「ミルクセーキ。アイスクリーム入れたから多めにシェイクしたんだけど……」
辰也は桃華の隣の席に腰を下ろすと、美味しそうにミルクセーキを飲む桃華を、微笑みながら見つめた。
(………ん!?)
何故か美加が泣いていた。
「美加。お前何で泣いてるんだ?」
「だって………
桃華が笑ったんだもん…
ねえ……今
桃華 笑ったよね?」
「普通は笑うだろ
……特別な事か?」
「───」
「おい。美加」
「……旦那が死んでから
桃華は人前で笑ってないんだ」
「………どう言う事だ?」
「旦那が事故で死んだ時
桃華は旦那の隣にいたんだ。
よっぽどショックだったんだと思う……
あの日から桃華は笑わなくなったし、人と話す事もほとんど無くなった」
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