11/12

155人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
わずかに桃華の顔に笑みが広がった。 「辰兄。それ何だ?」 「ミルクセーキ。アイスクリーム入れたから多めにシェイクしたんだけど……」 辰也は桃華の隣の席に腰を下ろすと、美味しそうにミルクセーキを飲む桃華を、微笑みながら見つめた。 (………ん!?) 何故か美加が泣いていた。 「美加。お前何で泣いてるんだ?」 「だって………  桃華が笑ったんだもん…  ねえ……今  桃華 笑ったよね?」 「普通は笑うだろ  ……特別な事か?」 「───」 「おい。美加」 「……旦那が死んでから  桃華は人前で笑ってないんだ」 「………どう言う事だ?」 「旦那が事故で死んだ時  桃華は旦那の隣にいたんだ。 よっぽどショックだったんだと思う…… あの日から桃華は笑わなくなったし、人と話す事もほとんど無くなった」
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

155人が本棚に入れています
本棚に追加