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話しながら辰也が、出来立てのナポリタンを盛り付けた白い皿を、美加と桃華の前に並べた。 嬉々とした表情の美加を満足そうに見ながら、隆円にもナポリタンの盛り付けられた皿を手渡す。 隆円に手渡された皿には、明らかに二人前以上はありそうな山盛りのナポリタンが乗っている。 「俺の分もあるのか!?ありがたい。ちょうど小腹が空いたとこだったんだ」 「腹ごしらえしとけ」 意味深に言う辰也の目前に美加が手を差し出した。 「辰也。タバスコ」 隆円も頷く。 「チッ……やっぱり使うのか」 ため息をつきながら、辰也が美加に、箱に入ったままのタバスコを手渡した。 「……全部使うなよ」 諦めの響きのこもった辰也の声は、二人には完全にスルーされた。 二人とも大量にタバスコを振りかけ食べ始めたのだが、半分程残り、二人の中央に置かれたタバスコは、それぞれが一口ごとに追加投入する為に、一瞬で無くなった。 「うぅ……」 「アアア!!」 「ひぃぃーーー」 二人の口から奇声が漏れる。 「……た…辰也。う美味い……  親父さんのと味一緒だよ」 「ったく……  それで味がわかるのかよ」 「これが美味いんだよ!  なあー隆!!」 隆円の真っ赤になった頭皮には、いくつもの汗の玉が浮かんでいた。 「やっぱり美加ネエと、二人で一本がちょうど良いな」 隆円がボソリと呟いた。 昔からの習慣なのである。
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