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「で、フレンチトーストってのは何でだ?」
食べ終わった美加が、桃華が美味しそうに食べてる様を満足そうに見つめながら、辰也に尋ねた。
「商店街のパン屋。今は新一郎さんが後継いでて、毎日、食パン一斤とフランスパン二本強制販売。
食パンはモーニングで消化して、フランスパンでサンドイッチとフレンチトースト作ってる」
「新一先輩はヤクザになったんじゃ無いのか?」
「足洗ったんだよ」
言いながら辰也が、美加と桃華の前にフレンチトーストの乗った小皿を並べた。
「タバスコ効いてるんだろ?
口直しに食ってみろ」
フランスパンをスライスして作ったフレンチトーストの上に、バニラアイスが盛り付けられ、メイプルシロップで作った温かなソースが掛けられていた。
「あっ……美味い!!」
美加の口から歓声が上がった。
「美加ネエ。ここは出前も取れるんだぜ」
「出前?」
不思議そうに隆円に聞き返した。
「昼はケーキで、夜は焼き鳥とたこ焼」
「………何だよそれ!」
美加が笑い出した。
「駅前のケーキ屋、今はケンが後継いでて、たこ焼は政が後継ぎ。政の奴は焼き鳥まで始めたから販売協力だ」
「ケーキ屋ってハルの家の隣?あの鼻垂れも大人になったか」
昔を思い出したらしく、美加が嬉しそうに顔を輝かせた。
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