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「辰ちゃん……明日……私   ……授業参観なんだ」 「ん!?…授業参観?」 「ママは明日、来れないんだって だから、代りに辰ちゃん来てくれない?」 「俺が!?……何で俺が?」 おずおずと恥ずかしそうに言う桃華に、辰也が怪訝な表情を浮かべた。 「辰也!桃華が怖がるだろ。  眉間にシワ立てるなよ」 美加が笑いながら言うと説明を始めた。 「私が桃華を連れて、この町に帰って来て、もうすぐ四年……旦那の七回忌も済んだし、桃華も春には中学生。 辰也にはいつも助けられっぱなしで、私達親子が今日までやって来れたのは、辰也のお陰だって本当に感謝してます。 ………って事で、明日よろしく」 「はぁ!? って事でって、意味わかんねーだろ 」 呆れたようにため息をつくと、辰也は愛用のマグカップに残った冷めたコーヒーを口にした。 辰也の営む『cafe BILLY』は七脚のカウンター席に、テーブル席が三つの小さな店である。 夕方以降、店を訪れる客の殆んどはアルコール目的なのだが、辰也は客にアルコールを勧められても、美加と桃華が店に居る間はアルコールを口にする事は無かった。
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