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俺もエイドリアンが国王になるのには大いに賛成している。
これで俺が国王になるのは免れることができる。このままのんびりと暮らせるのだ、なんて愉快!
そんなことを考えながらキングサイズのベッドの上で無気力に本のページをめくる。
三時のおやつまだかな…。
すると突然俺の部屋のドアがバァン!と、勢い良く開いた。
「コーネリアス!!父さん、良いこと思いついたぞ!!」
親父が上機嫌にニコニコとした笑顔で入ってくる。
し、心臓が飛び出るかと思った!
「く、クソジジイ!ノックしてから入れよ!急に入るな!!」
俺は親父に向かって怒鳴った。
しかし、親父はそんな俺を無視して、いつもと変わらない満面の笑みで、
「今日、コーネリアスのための盛大なパーティがあるんだ!いつもなら出なくても許しているが今日はコーネリアス、お前のためのパーティだからね!来てね!絶対だよ!」
そう言って俺の手を握ってくる。
パーティだと?ふざけるな、死んでも行きたくないくらいだ。
「はぁ!?なんで俺がいかなきゃならないんだよ」
俺は冷たく親父の手を振り払う。
第一に何故俺のためのパーティなんだ?俺が何かしたのか?
今日誕生日でもないし…。
「そんなこと言うなよ。父さん、どうしてもコーネリアスに出席してほしいんだ!」
「嫌だ。いつもなら俺がいなくても大丈夫じゃないか」
「よし、わかった!じゃあ父さん、奮発してコーネリアスの欲しがってた純金のチェスセット買ったげるよ!」
なん…だと…?
前々から言っていたがなかなか買ってもらえなかった純金のチェスセットを…買ってくれるだと?
これはまたと無いチャンスかもしれん。
やむを得んな…ここはパーティに顔だけ出してすぐに部屋に帰ってやるとするか…。
「…わかった出てやるよ」
「おぉそうか!ありがとうコーネリアス!ならすぐにチェスセットは発注しておくよ!それからパーティは今夜だから準備しておいてくれ。父さん、夜になったら迎えに来るからね!!」
そう言って部屋を後にする親父。
もう俺も子供じゃないんだ、迎えなど必要ない…と言いたかったが既に親父の姿は消えていた。
まったく…人の話は最後まで聞けよ。まぁ俺も人の話なんて聞かないけどな。
それにしてもパーティか…。
はぁ…憂鬱だ…。
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