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背を向けて歩き出す俺に、バスローブとタオルを持ったままのミッシェルが慌てて追いかけてくる。
「あっコーネリアス様、バスローブとタオルを…」
「なんだお前は?俺に意見するのか、お前も偉くなったもんだなぁ!!」
くるりと振り返りながら俺がそう怒鳴りつけると、ミッシェルは深く頭を下げた。
「…申し訳ありません…」
「お前はただ俺が呼ぶまでそこで突っ立ってりゃいいんだよ、簡単なことだろ!?そんなことも出来ないのか!?もうお前なんかに俺に仕える資格はないなぁ!!」
「で、出来ます!申し訳ありません…っ」
先程よりもさらに深く頭を下げるミッシェル。
ほほう、いつもは冷静沈着なミッシェルでも流石に俺に怒られれば焦るようだ。…フッ、まぁ大目に見て許してやるとするか。
「今回だけは許してやろう、以後気をつけるんだな」
「ありがとうございます…今後はこのような失態を二度と起こさないよう、気をつけます」
そう言って頭を下げるミッシェルを尻目に、俺はシャワールームへ入っていった。
大理石でできたシャワールームはいつも通りピカピカで綺麗にされている。
これも全てミッシェルがしているのか?さすがミッシェルだ。
棚の上もきちんと整理されており、シャンプーやリンスの場所も1ミリだってズレていないのが驚きだ。
俺はミッシェルの仕事のパーフェクトさに感心しつつ、シャワーを浴びた。
シャワーから上がると、シャワールームから大声でミッシェルを呼ぶ。
「ミッシェル、上がるぞ。バスローブとタオルを持って来い」
「はいっ!?わ、私がでございますか…?」
「お前以外に誰がいるんだよ!バカかてめぇはよぉ!!」
「…ですが…っ」
何故かはわからんが、ミッシェルは躊躇っているようだった。
いったい何を躊躇する必要がある?
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