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「重い――グェッ!」
少し感想を述べただけで首を絞められた
「体重には触れずに歩きなさい」
耳元で愛莉の声が響く。因みに脅された訳ではなくただ単に愛莉をおぶって登校しているからだ。現在時刻は5時。生徒玄関は6時に開く
何でおぶって居るかと言うと朝、降り積もった雪があるのに走ろうとした結果、足を捻ったからだ
「明日からちゃんと歩いていくかバスで行けよな」
「………」
「愛莉?」
返事が無い。ただの屍のようだ
「………つまんない」
「何でそんなむくれた時の声出すんだよ」
「何かお兄ちゃん居たらこんな感じかなって考えたら、つまんなくなった」
「意味分かんねーよ」
たまに愛莉の発言に俺じゃ理解できない事がある
「私だって分かんないのよ」
あぁ、ただ愚痴ったって感じか
「ねぇ、もし私にお兄ちゃんが居たらどんな人だと思う?」
「家庭的な優男」
「功太とは反対ね」
「言えてるわ、それ」
家庭的な不良が俺だから
「てか、どうしたよ?いきなり兄弟の妄想なんてして」
「たまにあんたが私のお兄ちゃんって思ったりするのよ。あと妄想じゃない」
「なんだそりゃ、可愛い妹を持ったもんだな。愛莉が欲しければ俺を倒してイケってか」
「~~~~~~ッ!バカ!!!」
脳天にドスッと鈍い音を立て痛みが走った。何故だ
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