第3話 『お前のギターのせいでバンドが死んでいる』

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「て言うか何で武野はそんなにバンドを組みたいの?」 「青春さ!」 清々しさを覚える武野の顔をこんなにも殴りたいと思った事は幾度はあったが今回は最高のウザさだ 「中井、今からハリボテ武野を狩るぞ」 「了解」 俺は竹刀を2本構え、中井はカッターの刃を一枚ピックのように指の間に挟んだ 「え、何しようとしてんの?二人とも」 「ドラムの練習」 「ギターの練習だけど?」 「いやいやいや!!!竹刀でドラムって!?カッターをピック代わりって何!?」       ‡ ‡ 「そこのチミぃいかにもバンドやってそうな顔をしてるねぇ」 「は?」 5限の休み時間ハリボテ武野のバンドメンバー集めをする事になった 「すみません、俺忙しいから」 「あ、待ってくれよ!」 因みに俺は境内の掃除とたまにある臨時のバイトやタイムセールの買い物などで忙しいから断り、中井は当たり前のように生徒会の仕事があるから断った あっさりとバンドの勧誘に失敗した武野はトボトボとこちらに歩み寄って来た 「ん?あれは十聖の喜多川陸ちゃんじゃねーか!」 十聖の喜多川か。………あぁ、あのパンツ丸出しだったアレか 「てか、陸って。男か」 「バカ野郎っ!!」 「イタッ」 何故か武野なんかに殴られた 「名前なんか気にする事じゃねぇだろ!!」 「あ?」 何故か男前の武野にイライラが募ってヤバい
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