第二章

2/3
前へ
/13ページ
次へ
最悪だ…。 授業中に寝てしまったせいで、俺は先生に呼び出しをくらった。 今は四時間目の授業。 呼び出しをくらったのは昼休み。 昼休みはたしか、雅也の天丼を買って、自分の飯を食って、先生のところへ出頭。 忙しすぎる。 …そうでもないか。 まぁ、いい。とりあえず雅也から無理やり天丼の分の金はぶんどった。 この授業が終わったら、教室を飛び出し学食に行こう。 そんで、雅也のクラスに届けてって、ん? 俺の目の端っこを、何やら小さいものが通っていった。 なんだあれ? 俺は一番窓側の席で、窓からは校庭が見える。 その校庭になにやら小さくて、茶色くて、とても可愛らしい…。あれば、犬だ。 くそっ!どうでもいい! とりあえず、あと5分でこの授業も終わる。 終わったらダッシュで学食へ…。 早く…早く、時間が過ぎやがれ! 何を隠そう、実は俺は、トイレを我慢しているのだよ。 「あと、1分!」 俺は一人でつぶやいた。 もう少し、もう少しだ! そう願ってると、チャイムが鳴った。 日直が挨拶を済ませると、俺はダッシュで教室を飛び出した。 ここの教室のいいところは学食に近いことだな。 歩いて数歩でつくところに俺は駆け込んだ。 やはり、一番のりで俺は学食に入った。 「おばちゃん!天丼ちょうだい!」 「350円ね」 「ほいよ!」 俺は小銭を台に叩きつけ、天丼を持って再びダッシュした。 向かうは、雅也の教室である1-2組! 1階の一番奥にある教室だ。 ってか、なんでこんなに急いでんの俺? まぁ、こっから歩いていくか。 雅也の教室の前についた時、俺は雅也の姿を探そうとした。 「あいつ、どこだよ…」 教室中探してもいない。 したかないから俺は教室の中にいた適当なやつに話しかける。 丸坊主だからおそらく野球部だろう。 「なぁなぁ、これ、足立雅也の机の上においといてくれない?」 丸坊主のやつは何も言わずに受け取り、一度だけ縦に首を振った。 「ありがとね」 一言、礼を言い俺は自分の教室に向かった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加