第二章

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自分の教室に戻り、朝買った弁当を食べながら思い出す。 授業中寝たのは確かだが、その時に見た夢だ。 授業中に夢を見るほど寝たのかと言う思いと、なんだ不思議な夢な気がした。 白い世界で一人っきり…。 寂しいもんだ。と、苦笑する。 実際、俺は友達が少ないし家に帰っても大抵1人だけ。 そんなことを考えながら、食事を済ませ職員室に向かう。 授業中に居眠りしただけで普通呼び出し喰らうか?他の奴だって寝てたじゃんか…。 そう考えながら階段を上り2階にある職員室へ向かう。 「失礼します」 丁寧にお辞儀して職員室に入って担任の先生を探す。 「木島、こっちだ」 声の方向を向くと、担任が手招きをしていた。 俺は素直にそこに行く。 迎え入れられたのは、職員室の中にある小さな談話室。 机が1つ、椅子が4つという狭い部屋だ。 ここは、噂だが完全な防音設備が整っているらしい。 そのため、スクールカウンセラーが来るときはこの部屋を使うとか。 雅也からの情報だから、いまいち信用無いが…。 それでも普段から、教員が生徒を呼び出して、深刻な話をするときはここに入れられる。 「まぁ、座れ。ここに来て立って話すのもおかしいからな」 「はい…」 俺は先生に言われるまま椅子に腰掛けた。 「で、話なんだが、授業中の居眠りは実際どうでもいい。お前がするのは初めてだから、言うとしたら今後気をつけろ程度だ」 「は?」 じゃあ、なんで呼び出されたんだよ…。 と、言うわけもなく俺は先生をみる。 「最近の家庭はどうだ?」 あぁ、またその話か。 俺は心底から思った。この学校に入学してから何度目だろう。 「もう、いいじゃないですか。その話は。前にも言った通り何もないですから」 俺はそう言った。おそらく小さい声で。
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