第1話

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ジリリリリリリリリ 突然の爆音に俺は目をあけた。 そして、目を閉じ条件反射で枕元に手を伸ばし、目覚し時計のスイッチを切る。 ふー、とため息をつきノロノロと起き上がる。 「また、大きな音で起こしてくれてありがとうございます」 寝ぼけた頭で目覚し時計にお礼を言い、ベッドから降りる。 家には自分以外の人はいなかった。 父親は数年前に蒸発し、そのショックのせいか、母親は今夜遊びに出かけている。 恐らく、あと1時間もすれば帰ってくるだろう。 今は6:15。 昨晩買っておいた菓子パンを口に突っ込み、制服に着替え始める。 6:30。 いつもより早いが支度は済んだ。 7:16発の電車に乗って学校に通ってる俺には、早すぎる程だ。 俺はしばし考え呟く。 「余裕を持つことも大切ですよな?」 最寄りの駅まで歩いて10分。 俺は、カバンを担ぎ、家を出た。
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