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することもなく呆然とベンチに座ってると突然、制服のポケットの中から電子音がした。
俺のスマートフォンにメールが来た通知音だった。
「メール?あぁ、雅也からか…。って、やっば…」
雅也とは、本名足立雅也。俺の学校の…親友だ。
悪友と言った方が適切かもしれないが…。
俺と雅也は普段同じ電車に乗って登校している。
そんな、雅也からメールがくるとは…。
恐らく昨日した約束のことだろ…。あぁ、怖くてみたくない…。
昨日した約束。それは、俺が雅也から借りた100円玉のことだ。
俺は昨日、家に財布を忘れてしまったが、どうしてもジュースが飲みたかった。だから、雅也にジュース代の100円を借りた。
そして、明日の朝に絶対返す!学校に着く前に返してやる!って言ってしまった。
そのことを今思い出しました。すみません、雅也様。
たしか、返せなかったら俺は3日間雅也の手下にならなければいけないのだったよな。
恐る恐る雅也から届いたメールを見てみる。
件名:(^ω^)
本文:いやぁ、木島蓮くん。これで君は僕の手したね。あざっす。
はい、予想的中です。これで木島蓮くんは足立雅也様の手下です。
あ、木島連ってのは俺のことね?
誰に言ってんだ俺…。頭おかしくなったな…。
俺はスマホの画面を見てるのが嫌になり、再びポケットに押し込んだ。
踏み切りの遮断機が降りる音が聞こえた。
やっと、電車が来てくれた。
さっさと学校に連れてってくれ。
そんなことを考えながら立ち上がると、ホームに電車が入ってきた。
俺はそれに乗車した。
電車の中は比較的すいていて、楽に座席に座ることができた。
ここから電車で約20分か。目的の駅に着くのは8:05くらいか…。
いや、もうこの際どうでもいい…。
俺は今日何度目かのため息をついた。
それと時を同じくして電車は出発した。
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