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駅を出発して5分くらい経った時、車内で突如女性の悲鳴が上がった。
俺を含め、何人かの乗客がそちらに目をやった。
「なんだ、あれ?」
見てみたら、20代半ばぐらいの若い女性が、その場で座っている。
俺にはそれしかみえない。
だから、何が起きてるか全くわからない。
今の悲鳴を聞きつけたのか、前の車両から車掌さんが1人駆け足でやってきた。
「なにかありましたか!?」
俺は車掌さんの後ろからついて行ってみた。
何が起きたのか俺も見たかったからだ。
悲鳴が聞こえた場所へ行ってみると、スーツ姿の男がその場で倒れていた。
「え、まさか、嘘でしよ?」
人生初めての遅刻と雅也の手下のことで、落胆してた矢先、電車でこんな事件に巻き込まれるなんて…。ついて無さすぎるよ、俺。
今にでも泣きだしたい気分だったがスーツ姿の男は「う、うぅ…」と、声をあげた。
あぁ、よかった…。おっさん生きてる…。
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