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とりあえず、おっさんは生きてる。
俺はそれだけでかなり安心した。
しかし、気になるのはおっさんが倒れたのと女性が叫んだ因果関係。
俺はどう思考を働かせても答えが出ない。
「なにがあったんですか?大丈夫、落ち着いて」
車掌さんは女性に問いかける。
女性は軽く混乱状態に陥っているが会話はできるそうだ。
「この、この人がいきなり…」
いきなりなんだ!早く言え!
「お、おおおおおおおおおおおおおしりを…」
は?
恐らく、俺の周りに居た人全てそう思っただろう。
つまり、このおっさんは若い女性に痴漢行為をしたというのだ。
女性はいきなり過ぎて叫んでしまったらしく、そのままおっさんの顔に蹴りを入れたらしい。
ちなみに、女性は学生時代に女子空手部の部長で、全国大会に何度も出場していたらしい。
こんな朝早くに痴漢して、顔に蹴りを入れられる。
俺が言えたことじゃないが…哀れな男だ…。
とりあえず、おっさんの目は冷める気配もなく、その場ではどうすることもなかったため、車掌さんの呼びかけで皆元居た場所に戻った。
時間は8:02。
そろそろ目的の駅につきますね。
俺は今日起きたことを頭の中で整理してみた。
時間の流れが異様だった。雅也の手下になった。哀れな男を見た。
この3つが、朝起きて今まで起きたことか…盛り沢山だな…。
そんなことを考えてると、電車は目的の駅に着いた。
これから、30分間のウォーキングです。
いや、ランニングにした方がいいかも…。
俺は電車を降り、改札を抜け、駅舎から出た。
「案外、行けるかもな…」
俺は独り言を言い、学校の方角へ走った。
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