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「ふー、歩いた歩いた…」
ようやく学校が見えるところまで来た。
さてと、ラストスパートといいたいところだが、俺の学校は山の上にある。道はコンクリートで舗装されているが、上り坂がキツいことにかわりない。
腕時計を見ると8:20。予想してたとうりだ。
坂に向かって歩き始めようとしたその時、後ろから声が聞こえた。
「あれ??蓮じゃん。なんでここにいるのさ?」
振り返ると俺を手下にしようとした、雅也がいた。
「俺が通ってる学校だ。いても問題はないだろ」
そう言った瞬間雅也は坂道を走り始めた。まるで、なにかから逃げるように。
「おまっ!いきなりなんだ!このっ、待やがれ!」
俺は叫ぶと同時に雅也を追いかけるため走った。
「お前は俺の手下にするためにも、100円を返されるわけにはいかない!」
アホか、こいつは…。
そんなことのために、わざわざ自分の体力を削るやつがどこにいる…。
そう考えてるとバカバカしくなり、俺は走るのをやめた。
数メートル先では、雅也が校門をくぐり終わり、膝に手をつき肩で呼吸をしていた。
俺が校門についたとき、そこには雅也の姿がなかった。
「なんだよ…。一人で行きやがったのか…」
どうやら、雅也は一人で教室に行ってしまったようだった。待っててくれてもいいのに…。
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