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「いっつぁー…… 防御力0の状態だった俺の身にもなってよ~ふええ……」
なーんて可愛こぶりっこしてる場合でない。
今のは痛かった……痛かったぞおおお!!
今の衝撃で鼻でも折れてたら慰謝料請求しますよ奥さん!?
これ以上不細工になったらなんか色々やっていける気がしないよ!?
「あ? あーわりぃわりぃ人いたの気づかなかったわ!」
俺の目の前のドアを開けた張本人、つまり俺の同室者になると思われる人の声のする方を見て、俺の時が止まった。
そこには申し訳なさそうに謝るイケメンがいたのだった。
明るい茶髪に人懐こそうな笑顔、そしてスラッと高い背。まるで女の子達が読むような漫画のヒーローがいるみたいな感じだった。
ちなみに、俺はその手の漫画は読まないのでどんなヒーローがいるのか知らないから適当に言ってるだけだけど!!
とりあえず、この人が桐島玲くんとやらで間違いないだろう。
俺としたことが、こんな良いBL素材になりそうな人間を知らなかったなんて!
腐男子千広一生の不覚……っ! くっ!
まぁ、そんなわけで俺のたどたどしいチャラ男スイッチオン!
「いやいやぁ、全然大丈夫だよぉー!こっちこそ無言で扉の前に立っててすまんねぇ。俺、君の同室者の東谷千広。千広って呼んでねぇよろしくー!」
チャラ男講座、ヘラヘラ笑顔で語尾を伸ばす! これ鉄則!!
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