あぁ、忘れかけてました

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「…………」 「…………」 沈黙の中、カチャカチャと食器のぶつかる音が響く。 千広の方を見ると、俺に気を遣っているのかただお腹が空いていただけなのか、とりあえずもぐもぐとカレーをひたすら食べていた。 でもチラッとこっちの様子を窺ってくる辺り、やはり気を遣われているんだろう。 考えてみればこいつも良く分からない行動をとってるが今回は俺も悪いところがあっただろう。いくらなんでも強引にキスすることは無かったはずだ。 そう思うと、再び申し訳なさが込み上げてきた。 千広は平気そうな素振りを見せてたが、間違いなく俺に警戒心を抱いただろう。 このままそんな感情を持たれていたら、この先面倒臭い。まぁ警戒されるような事をした俺に原因があるが。 いっそ今日の出来事を話してしまおうか。少しは気持ちが和らぐかもしれない。 「あのさ、千広……」 そう思いついた俺は、先に続く面倒よりも一時の恥だ、と自分に言い聞かせ今朝の出来事から掻い摘んで千広に話したのだった。 .
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