さぁ、やってまいりました

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「でけぇ! 食堂無駄にでけぇ!!!」 そんなこんなで食堂にやって来た俺達御一行。 この学園の食堂に初めて足を踏み入れた渉は、食堂の扉を開けてから席に座るまで終始「デカイ」と叫んでいました。 渉、無駄に金かけてでかい食堂作ったのはお前の叔父さんだよwww 叱ってやれよwww そんで渉の声も無駄にデカいよwww 「俺も1年この学園に通ってるが、ここの無駄な広さには正直慣れないよ。理事長の金銭感覚に異議を唱えたい」 と、頷きながら渉の言葉に賛成する平民代表我等が委員長。もちろん俺も同感だぜ兄弟。 「ところでこれはどうやって注文すんの、千広?」 「あっ、これはねぇー。ここに自分のカードキーをスキャンさせてからタッチパネルで操作して料理を選ぶんだよぉ」 腐女子腐男子の皆さんなら察しがつくであろう桃陵学園ハイテクアイテムのひとつ、「食堂のタッチパネル」の説明を、初心者の渉に丁寧に教えてあげる俺。 まぁ、俺としての目的は、 「うわ! なんだかいっぱい種類があるんだな! 何にしようかな!」 「あっ、渉! 俺としてはオムライスがオススメ! 日本に来たらオムライスっていうのが鉄板だよぉ! ほらこのケチャップのやつー」 そう、渉にオムライスを食べさせること! どこまでも徹底して王道代表を導く俺、これぞ腐男子の鑑だね!!! 「オム……? へぇ、日本といえばスシが定番かと思ってたけど、そっかそっか! じゃあ俺それにするよ!」 首を傾げながらもオムライスを選択する渉。 フフフフフ腐腐腐……!! ありがとう王道学園! ありがとう王道代表! 俺はこの瞬間をしっかりと心のフィルムに残しておくよ……! 首を傾げてる委員長と呆れた顔してこっちを見る玲くんを無視して俺もルンルン気分でメニューと向かい合った。 .
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