神様が死んだ日。

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 「飛べるよ」  「そうだよね」  そんなことは知っていた。 私と君は、もう、飛べた。  「わたしも愛してるよ。すっごく、愛してる。言い表せないけど、すっごく!!」  君は半ば怒鳴った。 だから私はもっと大声を出した。  「大好き!!」  そうしたら君は、呆れて笑い出した。 私も同じだった。  「ありがとう、そんな大声出してくれて」  「違う、負けたくなかった!」  「うん、解ってる」  「……ね、生まれ変わってもまた見つけるから、また好きになるから、また愛してるって言うから、言いたいから。今度は、私と、結婚してね」  「こちらこそお願いします」  この会話が君の言葉で、こうして完結した瞬間に、私は涙が溢れてきて、ぼろぼろ泣いた。 嬉しかったのか、かなしかったのか、全く判断がつかない。 けれど私は確実に、幸福だった。  君もそうだったらいいな。
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